ダウンサスに交換したいが、工賃が2万円から10万円程、取り付けに半日~数日掛かる場合もあることから、DIYを検討される方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし整備士資格をお持ちの方や何度も経験された方以外にはハードルが高いのも事実です。
これからダウンサス交換をDIYで検討されている方に向けて、車素人な私がY50フーガでDIYに失敗・苦労した事例を紹介します
結果的にダウンサス交換を断念しています笑
今はみんからやyoutubeでやり方が簡単に調べられ「あれ、これ出来そうじゃね?」と思いますが、私はそれでとても痛い目に合いました・・・
具体的に失敗・苦労したポイントは以下です。
・固着したナットの取り外し
・スプリングの圧縮
私はもうDIYで足回りを触る気は一切ありませんが、この記事を少しでも皆様に参考にして頂ければ幸いです。
時間と場所と工具が必要
結果的にめっちゃ時間が掛かったし、追加で大量の工具も購入したし、初めからお店に頼んでおけば・・・と思った件についてです。
とにかく時間が掛かる
私のように初めて施工する場合はとにかく時間が掛かりました。
工具を途中で追加購入したせいもありますが、1個の固着したナットを外すだけで2日掛かっています。
またスプリングの圧縮にも苦労し、一ヶ所4時間掛かりました。
作業中は足回りをばらすので車を使えない前提でスケジュールを立てる必要があります。
家族との時間をかなり犠牲にしてしまい、正直後悔しています。
作業できる場所が必要
ジャッキアップした状態で前述のように長期間保持できる環境が必要です。
数日間ともなると、レンタルピットでは厳しいかもしれません。
一戸建ての屋外駐車場でも、昼間は良いですが、夜まで作業する場合は騒音を気にする必要があり、インパクトの夜間使用などは難しいです。
そうなると、究極論では屋根付きのガレージなどが望ましいですが、多くの場合は難しいのかと思います。
大量の工具が必要
結構いろんな工具が必要です。
あとでまた説明しますが、ナット固着のために3万円分の工具を追加購入しました。
そんなに掛かるなら初めからお店に頼んでおけばよかったですよ・・ほんと
それ以外にも元から持っている工具もたくさん使い、ゼロから揃えようとすると5~10万円くらい掛かるのかなと思います。
最低限必要な工具としてはこちら
・エクステ
・ソケットレンチ
・ソケットアダプタ
・ユニバーサルジョイント
・17mmソケットコマ(六角穴)
・ソケットレンチセット
・コンビレンチ・スパナ
インパクトも持っていますが、あまり使う機会は無かったので割愛しています。
わざわざ17mmの六角穴のコマを買ったのは、12角のコマよりナットがナメにくいからです。
ユニバーサルジョイントやソケットアダプタは狭いタイヤハウスや車体下でめっちゃ重宝しました。
複数個でセットになっているものがあるので、オススメです。
固着したナットの取り外し
とにかく足回りのナットが固いです。
錆や異物噛みこみで固着しているとトルク350N・mのインパクトレンチでも取り外せませんでした。
この固着したナットの取り外しだけで、結果的に2日間と3万円が掛かっており、だったら最初からお店に頼んでおけばよかった・・・と今では思っています。
特に固かったのは次の2箇所です
(Y50フーガの場合です。他車種ですと構造が異なる可能性ありますのでご注意ください)
・スタビリンクのナット
特にショックとロアアームの固定ナットは再利用不可の緩み止めナットのため超激固です。
ただし、ナット固着は道具次第でどうにかなりました。
用意したものはこちら
・ラスペネ
・ツイスターソケット
・ナットブレーカー
・ナット予備
スタビリンクのナットはラスペネを塗布してラチェットに単管パイプを差し込んで回すことで緩みました。
インパクトでも緩まなかったのにビックリです。
それ以外の箇所も大体これで緩みます。
556ではなく、ラスペネを塗布した方が緩みました。
しかしロアアーム側の固定ボルトはこの方法で取ろうとした結果、ナットが舐めてしまいました。
そこで次に使うのがツイスターソケットです。
ボックス内側にらせん状の溝が彫られており、角が取れて丸くなったナットを取ることが出来ます。
ちなみにこれを使うとナットがズタズタになるため、取り外したナット自体は再利用できません。
また緩める専用であり、締める方向には使えませんのでご注意ください。
私はAmazonの安いもので十分使うことが出来ました。
フロント右側はこれで取ることが出来ましたが、フロント左側は緩めることは出来たものの取り外すまでには至りませんでした。
次に使う工具が最終手段のナットブレーカーです。
ナットブレーカーは上図のように円筒状のリングの片側から送りねじで刃を押し込む構造となっており、ネジを締めこむことでナットを断裂します。
電動工具での締結はNGです。
対角上に2箇所割ることで通常のナットであれば取り外せますが、ロアアームは座付きのナットのため、ナット部を割っても完全には取り切れません。
そこで割れた部分からラスペネを塗布しまくり、ツイスターソケットでようやく緩めることが出来ました。
締め込み過ぎるとボルトまで刃が刺さるので注意です。
ナットブレーカーは安価な海外製も売っていますが、これが壊れると次の手が無いので、TOP製を購入しました。
使用するナットによって適合サイズが決まっているので注意です。ロアアームナットの場合大変17mmのためNB-3を購入しました。
ナットを粉砕することになるので、予備のナットが必要です。
私は元のナット種類がわからなかったため、ナット+ばね座金を付けていますが、同じ方法を取る場合は自己責任でお願いします。
ちなみに車で使用されるナットはホームセンターで売っているナットとはねじピッチが異なる場合があるので要注意です。
またねじピッチが同じでも、ナット対辺寸法が通常よりも小さい場合があります。
Y50フーガの場合、ロアアームとショックの固定ナットとしてM12メートル細目ネジ(ナット頭対辺17mm)を用意しました。
以上の手間と時間とお金を掛けて、ようやくサスペンションを車から取り外すことができます。
スプリングの圧縮
これこそが、私がダウンサスDIY交換を断念した一番の理由です。
具体的には「スプリングの圧縮がとても難しい」ということです。
本当に失敗してしまうと、サスを戻せなくなって自走出来なくなるので、それはもう最悪な事態です。
私は危うくそうなりかけました。
スプリングはアッパーマウントによって自然長よりも圧縮された状態でショックに取り付けられています。
つまり、ショックからスプリングを取り外す・取り付けるためには自然長よりも取り付け可能寸法まで縮める必要があります。
人力ではとても縮み切れないのでプリングコンプレッサーを使います。
スプリングコンプレッサーをスプリングの対角線上2箇所にセットし、左右均等に締めこんでいきますが、非常に苦労するポイントとしては以下2つです。
・途中でスプリングコンプレッサーが滑って片側に寄ってしまう
純正のばねなら100mm、用意したダウンサスなら50mm縮める必要があり、それを左右均等にやろうとすると非常に時間と労力が掛かりました。
ちなみに私が購入したスプリングコンプレッサーは電動工具使用不可でした。
このせいで体中全身筋肉痛になってしまいます笑
手間を食うだけなら良いのですが、交換を断念した一番の理由として、何度やってもスプリングコンプレッサーが滑ることで片側に寄って、スプリングを圧縮しきれないということです。
100~300kgの負荷を受け持つばねを縮めているため、滑って片側に寄る際のバチーンという音と衝撃は本当に恐怖です。
一歩間違えれば大怪我に繋がるなと思いました。
何度やっても40mmほど圧縮させると寄ってしまうため、この時点で純正スプリングに戻すことが出来なくなりました。
スプリングコンプレッサーを使わず、車体にサスを組んだ状態でジャッキ等を駆使して色々やってみましたが全て失敗しました。
ところが40mmほど圧縮させた状態でダウンサスをショックに組み込むと、アッパーマウントからネジ山が2山ほど出たため、急いでナットを締め込み、どうにかフロント1箇所のみダウンサスを組むことが出来ました。
この時点で私の心は完全に折れ、翌日アップガレージで8800円にて変えたダウンサスを元に戻してもらいました。
何してるんでしょうねほんと・・・
解決策?:滑り止め付のスプリングコンプレッサー
ダウンサスDIY交換失敗の根本原因は、スプリングの圧縮にあります。
どうも調べてみると、電動工具対応可能且つ。”滑り止め付”のスプリングコンプレッサーが存在するようです。
私が購入したスプリングコンプレッサーの2倍以上の価格ですが、今回経験した問題点を解決することが出来るかもしれません。
ただし、私はもうそれをトライするつもりはありませんし、検討される方は自己責任でお願いします。
まとめ
以上が私が経験したダウンサスDIY交換の失敗・苦労した事例でした。
まとめると
②固着したナットの取り外し
③スプリングの圧縮
結果的にいたずらに時間とお金を浪費しただけになってしまいました。
私の知識・技術不足も原因にあると思います。
「走る」・「止まる」・「曲がる」に関わる整備はプロにお願いするのが一番良いと今回痛感しました・・・
少しでも皆様の参考になっていただければ幸いです。
ちなみに他記事でY50フーガのジャッキアップポイントやナビそのままで高音質なスマホ音楽を聴く方法を紹介していますので、良かったらご覧ください
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