ヒューズ電源はDIYでヒューズボックスから電源を取るための定番の商品です。
そんなヒューズ電源によるDIYでまず悩むのが、ヒューズ電源を差し込む向きです。
メーカは↓の絵のように1次側(+側)から電源を取ることを推奨しています。
エーモン/よくある質問 【POW-0006】フリータイプヒューズ電源を使ってヒューズボックスから電源を取る場合、ヒューズ電源を差し込む向きは決まってますか? (amon.jp)
一方で、ネットを調べると「逆にした方が良いのでは?」という意見も散見します。
私自身も多分に悩みましたので、メーカ推奨向きと逆向きのそれぞれのメリットデメリットを考察していきたいと思います。
ちなみに、本記事で言う「1次側(+側)」は、検電テスターを差し込んで光る方向を指します。
(↓の商品が検電テスターであり、車の金属部分にワニクリップを噛ませ、クリップと反対側のテスターの棒をヒューズが刺さっていた穴の端子に接触させ、光るかどうかで判断します)
メーカ推奨とは”逆向き”に指す場合
↑の絵のようにコードが伸びている側をメーカ推奨とは逆向き(電源が来ていない側)に指すやり方についてです。
個人的に思う最大のメリットは、ヒューズボックス~ヒューズ電源の管ヒューズ間の配線が短絡したときにヒューズボックスのヒューズで保護出来る点です(↓絵のイメージ)。
ヒューズボックスから電装品用に電源を取ったとき、分岐先の”管ヒューズより下流側の”過電流や短絡は管ヒューズで保護できます。
しかしヒューズボックス~管ヒューズまでの配線を保護するものはありません。
例えば(私のように)ぐちゃぐちゃに配線して内装を復旧したときに、この保護されていない区間を車体の金属部ごと挟んでしまうと、配線の被膜が破れたりした際に短絡する恐れがあります。
ヒューズボックスより上流の1次側(+側)にはヒュージブルリンクという、ヒューズボックスのヒューズよりもかなり大きな容量のヒューズがついています。
従って、”1次側(+側)から電源を取っていた時”、管ヒューズより上流で短絡すると、ヒュージブルリンクが飛ぶまで電流が流れ続け、最悪発火などの危険性があります。
以上のことからヒューズ電源を二次側から取ることで、前記のような場合でもヒューズボックスのヒューズが飛ぶことで保護されるメリットがあります。
2次側から電源を取ることで、1次側から取る場合に比べてヒューズボックスより上流の配線に流れる電流値が下がる副次的なメリットもありますが、電装品によって増える電流値くらいでは配線の余裕率に収まるそうなので、割愛します。
さて、2次側から電源を取るデメリットとして、ヒューズボックスのヒューズが飛ぶ可能性があります。
飛ぶ原因としては主に以下かと思います。
①追加電装品によりヒューズのエレメントを通過する電流値が「ヒューズが飛ぶ閾値」を超えるとき
②管ヒューズより上流で短絡したとき
ヒューズが飛ぶ度にヒューズを交換する手間が発生します。
また電源を取る際、(絶対やらないと思いますが)ECUやエアーバックなどから取ってしまうと、ヒューズが飛ぶだけで走行に甚大な支障を来す恐れがあります。
電源を取っていい場所ダメな場所はこちらのサイトが超わかりやすいです↓
電源を取ってはいけないヒューズと、取ってもいいヒューズの違い (diylabo.jp)
仮にヒューズが飛んでも影響が少ない「シガーソケット」・「PWR OUTLET」などから電源を取るようにすることが良いと思います。
また、想定使用電流を計算してヒューズを飛ばさない電源の取り方が出来ると良いでしょう。
メーカ推奨の向きに指す場合
↑の絵の通り、1次側(+側)からコードが出るように取り付ける方法についてです。
一番のメリットとして、追加電装品によってヒューズボックスのヒューズが影響を受けない(飛ばない)ことかと思います。
ヒューズ電源を1次側から引けば、ヒューズエレメントを通過する電流値は純正と変わりません。
仮に追加電装品の使用電流が大きくても、管ヒューズが飛ぶことで保護出来ます。
よって、電装品を追加してもヒューズボックス内のヒューズが飛ぶリスクは、逆向きに指す場合に比べてかなり減ることが考えられます。
※当然メーカ推奨の向きで取り付ける場合でも、ヒューズ電源を取ってもリスクが少ない場所から電源を取るようにしましょう。
電源を取ってはいけないヒューズと、取ってもいいヒューズの違い (diylabo.jp)
まとめ
それぞれの向きのメリット、デメリット、考えられる対策案をまとめてみます
メーカ推奨とは逆向き (2次側から取る) | メーカ推奨の向き (1次側から取る) | |
メリット | 管ヒューズより上流の短絡を保護できる | ヒューズボックスのヒューズが飛びにくくなる |
デメリット | ヒューズボックスのヒューズを飛ばす懸念 | 管ヒューズより上流での短絡保護が難しい |
対策案 | ・ヒューズが飛んでもリスクが低い箇所から電源を取る ・使用電流を計算して施工する | ・丁寧に配線施工する ・プロに依頼する |
以上、ヒューズ電源のサス向きについてまとめてみましたが、改めてあくまで個人的な考察であり、電装品の施工は不具合や事故、怪我などを発生する懸念があります。
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